韓紙(ハンジ)が出来るまで その1 ~ 採取・蒸し・黒皮・白皮作り ~











私たちの生活は、いろいろなものに囲まれていて、
あって当然。日々の忙しい生活の中で、物や形
できるまでに思いを巡らせる機会は、なかなか、ないですよね。
今回は、韓紙のできるまでをご紹介したいと思います。
中国から伝わり、韓国独自の発展を遂げて来た韓紙ですが、
どのように作られているのでしょうか?




1.(こうぞ)の採取 
 繊維質が豊富で、楮に含まれる水分量が50%ほどになる、1年目の若い枝を
12月から翌年の3月まで採取します。ちなみに、紙として仕上がるのは、
楮の重さを100とすると、その中のわずか4%ほどだそうです。
軽い紙1枚ですが、大量の楮が必要なのですね。


2. 蒸しと黒皮作り
楮を釜に入れ、10時間ほど蒸し、皮を剥いで、乾燥させます。
この乾燥させたものを黒皮といいます。
現在は、鉄やコンクリート製の釜で蒸しますが、昔は、素朴かつハイテク?な
技術を利用していました。大小2つの穴を並べたひょうたん型の穴を掘り、
大きい穴は、楮を入れ、一旦、土をかけて密閉し、小さい穴には、薪を敷き、
その上に石を並べて、石を焼きます。石が十分に熱くなったところに、水を
かけ、蒸気を作り、次に、穴全体を土で覆って、楮を蒸しあげていたそうです。
先人の知恵と言いますか、何とも言えないロマンを感じてしまいます。


3.白皮作り
乾燥させた黒皮を冷たい水でふやかし、刃物で
表皮(黒皮)を取り除いて、内皮だけの白い皮を
作ります。黒皮の段階で一旦、乾燥させますが、暑い夏場には、傷むこともあるので、全工程は、寒い冬場に行われます。

次回 その2へ 続く


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